シンジの思い出

全部自分の話

何かが違う…

「僕」と言った方がしっくりくるので言い方変えます。


僕の友人に、人一倍優しい心を持った人がいます。
彼は面白く、どんな場面もユーモアで乗り切るタイプ。
僕が彼に少し無理をお願いする時も、
絶対に引き受けてくれるすごい奴なんです。

「なんで誰の頼みも断らないんや?」
と僕が疑問を投げかけました。

「自分ができるなら、とりあえず、断らんねんかw」
と、茶化すように彼は話しました。
それでも言いたい事はわかる気がしました。
単純に、彼の持つ「とりあえず断らないスタンス」がかっこよく見えました。

それから密かに、そのスタンスをパクる事にしました。
そして先日、そのマニフェストを実行する時が来たのです。
家で遅めの晩御飯を食べていた時です。
いきなり電話がかかって来ました。
相手はバイト先の女の子。
「すっごい嫌な事があったから話聞いて。あと家まで送って。」
と言います。
どうやら彼氏と一悶着あった様です。
(なんだこいつ)
と一瞬思いましたが、友人の事を思い出し、時間もあったので、家まで送る事にしました。

男としては、ここで何かある事を期待してしまうのは当然です。しかし、
そんな淡い期待に胸を膨らませた挙句、何もせずトボトボと家路につく自分が、なんともかっこ悪く見えてきました。

あの友人と、同じ事をしたつもりだったのに、何かが違うと頭を悩ませたまま、その日はビールを飲んで寝ました。